"development"

そのあたりの問題提起を序章で書いているのだが、その大塚英志の文章がとにかく面白い。主旨は上記のようなことなのだが、その説明の合間合間に、自分アナログ人間だという不要なアピールがはいるのだ。自分の原稿は手書きだとか、ネットは見ないだとか、携帯電話メールだって嫌いだとかいう話にはじまって、あげくのはてには今後は電子書籍とか流行るんだろうけど、ぼくは紙とともに滅んでいく旧世代の人間だし、一生かかっても読み切れない自宅の大量の書物に埋もれて暮らすのが好きなんだとかいいだして、電子コミックの時代の新しいマンガの表現方法というこの本のテーマはどっかへいってしまう。最終的に、ぼくはいいけど、きみたち若い人間まで電子書籍に後ろ向きなのはおかしいとか言いがかりをつけはじめて、やっと、この本のテーマに戻ってくるのだ。


まったくもって大塚英志は素晴らしい。別にアナログ人間だろうが電子コミックについて語って構わないと思うのだが、どうしても自分の生き方論理的な一貫性を求める大塚英志の生真面目さと、自分の主張をそのまま書けばいいだけなのに、定期的になにかへの嫌みだか呪詛だかをひとくさり混ぜないと文章をすすめることができないというのがとても人間的で好ましい。むしろ本当に書きたいのはその嫌みのほうじゃないか、主題は嫌みを読んでもらうためにしょうがなくつけた演出じゃないかと想像してしまう。ちなみにぼくのブログはだいたいそのパターンで、本当に書きたいのはそのときの記事エントリの本筋とはほとんど関係ないしょうもないことで、それを無理矢理読ませるために本筋をつけている。だから大塚英志の文章にはとても共感を覚えてしまうのだ。

ネット時代のコンテンツの文法 - はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記

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